ある3歳と6歳の姉妹が、2人でなぞなぞを創って母さんに出しました。
お母さんが考えていると、下の子が耳もとでこっそり答えを教えました。
上の子は激怒りです。
一生懸命に考えたなぞなぞが、台無しになってしまったのですから。
お母さんも、下の子のルール違反を叱りました。
でもその後で、なぜそんなことをしたのか聞きました。
するとその子は
「お母さんに喜んでほしかっらから」
と言いました。
その子は、自分が正解したらとっても嬉しくて楽しくなるそうです。
だからお母さんにもそんな気持ちになって欲しかったんですね。
でも、その理由を聞かずにルール違反を叱るだけで終わっていたら、その子の「お母さんに喜んでほしい」という気持ちはどこに行くのでしょう?
大好きなお母さんのためにした行動が、そのお母さんに叱られる、という結果で終わってしまうのです。
ストレスフリーな子育て
長年私の髪を担当してくださっている美容師さんは、子育てのストレスが一切ない、といつも言います。
その子供さんが4歳のお誕生日に書いたママ宛の手紙には、
「うんでくれてありがとう」
とあったそうで、今でも大切な宝物だそうです。
そりゃあ宝物でしょうが、、、なんとできた子でしょう!
その美容師さんは特別な子育ては何もしてない、と言います。
ただ一つ、話せるようになったころから毎日続けていることがあるそうです。
それは、子どもの話を聞くこと。
毎晩必ず時間を作って、その日にあったことや感じたことを聞くそうです。
家事をしながら聞く、とかではなく、ちゃんと向き合って聞くのです。
もちろん、はじめは上手く話せないし、自分の気持ちもよく分かっていません。
そこは上手く誘導しながら、何が言いたいのかを聞き出すのです。
その子が言ったことに対して、「そうなんだね~」と聞くだけです。
「こうすれば良かった」とか「それではお友達がかわいそう」みたいなジャッジはしません。
だから子どもは完全に無防備になって、すべてをさらけ出せるのです。
そして、したいことやして欲しいことがあれば、ちゃんと言葉にして伝えることができるようになります。
そうなれば、親も子も、お互いに楽ですよね。
その子は出来事や感じていることを、言葉を探しながら一生懸命に話す。
親は一生懸命に聴く。
これって意外にできてない親が多いと思います。
つい大人は意見を言いたくなるんですよね。
もとろん、子どもが困っていたり、相談してきたら別です。
そこはちゃんと向き合う必要があります。
でも、そうでなければ、子どもは子どもなりに答えを探すんです。
それは遠回りな道のりかもしれないし、大人からみたら効率が悪いかもしれません。
そりゃ、生きている経験年数が違いますからw
その経験年数を生かして、忍耐強く子どもの話を引き出してください。
抑圧とモヤモヤ
冒頭に出した、なぞなぞの答えをこっそり耳打ちした子どもの話に戻ります。
叱られて終わってしまったら、「お母さんに喜んでほしい」という最初に生まれた気持ちは落胆に変わります。
そして次第に、無意識に感情を抑圧するようになります。
大人の都合で、叱られたり、伝わらなかったりして落胆するのは辛いですから。
そうして抑圧することに慣れていくと、自分が何を感じているのか分からなくなり、モヤモヤすることが増えます。
思春期の爆発の材料はここにあると思います。
もちろん、ホルモンバランスや身体の変化もあるので一概には言えませんが。
モヤモヤって、自分が今、何を感じているかが分からないから起こるんです。
深いところの自分の気持ちに気付けるようになっていけば、モヤモヤってどんどんなくなっていきます。
子どもがモヤモヤを抱えないよう、一生懸命に話を聞いてあげてください。